(このブログは、中学受験において「塾なしで最難関校を目指す」ことができるように、社会の学習内容を網羅的に学べる記事を書いています。)
「『社会』って何ですか?」という問いに答えられますか?
さて、これから社会について網羅的に学んでいきますが、塾講師や家庭教師として社会を指導するとき、はじめて指導する子に必ずする質問があります。
先生「社会の勉強をしてきたと思うけどさ、そもそもだけど、『社会って何?』って言われたら、答えられる?」
生徒「え、『社会』の意味ですか?んーなんだろう。社会っていうのは、こう、なんかすごく広い世界の、いろんな国とか、日本とかのことかな。」
先生「んー、それって、『国』とか『世界』のイメージで話してない?」
生徒「たしかに。そういえば『社会』の意味なんて考えたことなかったなぁ。」
先生「だよね。実は中学受験をする子によくこの質問するんだけど、明確に答えられた人ってほとんどいないんだよね。」
生徒「なんか、自分もですけど、良くないですね。」
先生「ね。そしてこれは生徒に限らず先生に聞いてみても実はちゃんと答えられる人はあまりいないんだよね。」
生徒「え!」
先生「だから、『社会』のことを知らない先生が、『社会』のことを知らない生徒に教える、なんて状況が結構多いんだよね。そりゃ社会を本質的にちゃんとできるようにはならないよね。」
生徒「野球やったことがない人が野球を教えてるみたいなものですね。」
先生「そうそう。だからさ、まずは『社会』とは何なのかをまずはしっかりと知って、その上でその『社会』を本質的に学んでいきたいよね。模試の点数や入試の合格のために表面的なことに終始した学びではなく、そもそもの言葉の定義を大事にしながら、本質的な学びを積み上げていくイメージで、ここから始めていこう!」
生徒「はい!」
そもそも、『社会』とは?(辞書的な理解)
というわけで、今日は「社会」とは何かについて学んでいきましょう。
まずは辞書で調べてみると、こんなふう↓に書いてあります。
社会…人間の共同生活の総称。また、広く、人間の集団としての営みや組織的な営みをいう。「—に奉仕する」「—参加」「—生活」「国際—」「縦—」
(『デジタル大辞泉』小学館)
少し表現が難しいけど、簡素化して言うならば、「集まって生活を営む集団のこと」と言い換えることができるでしょう。(より簡素化するなら、「人の集まり」。)
『社会』を自分事として理解しよう。
上記の通り、社会とは「集まって生活を営む集団のこと」です。
でも、この辞書的な意味での理解から、さらにもう一歩掘り下げて、自分事として『社会』について理解してみましょう。
そのために、自分たちの人生におきかえて、ちょっと考えてみましょう。
僕らはこの世界に生まれた瞬間、自分ひとりではまだ何もできない存在として人生をはじめます。何もできないため、親や兄弟・姉妹、もしくはそれに準ずる存在たちに助けてもらいながら生活を始めます。この生活の場を「家族」や「家庭」と言いますよね。そう、この「家族」・「家庭」が僕らにとって最初の「社会」です。ここで、言葉をはじめたくさんのことを学びます。
3歳くらいになると、「幼稚園」や「保育園」といった次の「社会」に足を踏み入れます。血のつながりのない人たちと初めて共に生活する「社会」です。
その後、僕らは小学校・中学校に通い始め、人によってはその先の高校・大学・大学院に進みます。これらは、「教育」をテーマに共同生活をする「社会」で、少しずつ「社会」のスケールを拡大させながら生きていくわけです。
そして学校を卒業すると、今度は「働く」というテーマの「社会」に出ていきます。
働き始めると、人によっては日本を飛び出し、「海外」という世界の「社会」に出ていきます。「グローバル社会」なんて言葉もありますが、イメージとしてはそれに近いですね。
こんな風に、僕らは生まれたその瞬間から、さまざまな「社会」の中を生き続けているんです。また、上記のような「ライフステージごとの社会」の中で進みつつ、「日本という社会」の中でも生きています。
そして社会の中で生きているということは、人との繋がりの中を生きている、ということです。
よく「僕らは一人では生きていけない」なんてよく言うけど、現実は真逆で、「僕らは生まれたその瞬間から、1人で生きられる環境に触れることはできない」。僕らは様々な社会の中を生き、同時にその各社会に属す様々な人たちとの関係性の中を生きているわけです。
こんなふうに、「社会」とは、何か1つのものを指すのではなく、様々な規模と階層の中に幾重にも重なって存在しているものなんです。そしてそれは、僕らとは程遠い場所に存在していて僕らの手に負えないほど広いものというわけでもなく、僕らを取り巻く場所に常に存在しているものなんです。また、社会とは無機的なものではなく、人と人との有機的なつながりの総体のことなんです。
以上のような理解をもって、これから「社会」について学んでいきましょう。
社会の学び方
というわけで、そんな「社会」についてこれから学んでいくわけですが、上述の通り「社会」とは一つのものではなく、様々な規模と階層の中に幾重にも重なりながら、僕らを取り巻く場所に常に存在しているため、「この問題集をやったら完璧だ!」といった単純な学習では、本質的に学ぶことができません。
僕らを取り巻く場所に常に存在しているわけなので、「自分の周りで今起きていることから学ぶこと」というスタンスがとても重要になります。
また、この地球は「国」という単位で物事の多くが動いているため、その「国」について学ぶことが必要です。そこで、国を取り巻く環境や現状について学ぶために「地理」を学び、国がどのように運営されているかを知るために「公民」を学びます。
さらに、「国」がどういう経緯をたどって今に至ったのかを知るために「歴史」を学びます。
というわけで、このブログではその各々を網羅的に学んでいけるように単元に分けて更新していく予定です。
・「新聞」から学ぶ
・網羅する「地理」
・網羅する「歴史」
・網羅する「公民」
よかったら、必要な単元から読み進めてみてくださいね。今後ともよろしくお願いいたします!